父親のベンチャービジネスを手伝うことになって

このサイトでは「お金を借りる」ことの基礎知識や最新の情報をお伝えしていますが、ここでは実際にお金を借りるとどうなるのかについて、お金を借りたことのある人に実体験を取材しました。
お金を借りることは幸せをつかむことになるのか?それとも不幸の入り口なのか?キャッシングでお金を運用することはは天国なのか地獄なのか?
とても重いルポルタージュになっています。じっくり読んでみてください。


児玉正一さん(43歳)の場合

児玉正一さんのプロフィール

名前(仮名) 児玉正一
性別 男性
現在の年齢 43歳
借入時の年齢 32歳
借入時の職業 会社役員

父親の事業を手伝うために会社を辞めました

私は40代のフリーランスライターです。
独立する前に父親が立ち上げた会社を手伝い、キャッシングやローン会社から合計300万円近い借金をし、悲惨な生活を送った経験談をお話したいと思います。

なぜお金が必要だったのか

2003年頃の話だったでしょうか。
私の父親が自分で会社を立ち上げ、息子である私に「会社の役員として事業を手伝ってくれないか?」と声をかけてきました。

父の事業

私は普通のサラリーマンをしていて当時20代の後半です。
大学を卒業して惰性で入った会社でしたので、給料もそれほど良くありませんし、仕事も「楽しいか?」と聞かれて「はい!楽しくて仕方がありません!」というような具合ではありません。

新しい素材を開発し、その販売をするというベンチャー企業を立ち上げた父親の誘いは、私にはとても魅力的に映りました。
結婚をしていたわけでもなかったので、早々に勤めていた会社に辞表を出し、父親の会社を手伝う事に決めました。それが多額の借金との付き合いになるとは、当時の私は思ってもいませんでした。

事業を開始した当初は資金も豊富でしたが、3年目を迎えるあたりから雲行きが怪しくなり、父親が「資金繰りでお金が足りない。少し給料を待ってくれないか?」というようになってきました。
私も少し蓄えがありましたし、父親が経営する会社の業績が悪い時に無理は言えません。「わかったよ。気にするな」と声をかけて、会社の経営が少しでも好転するように頑張っていたのでした。
ですが業績は一向に回復せず、給料が遅配になるどころか、「すまんが取引先への支払いがどうしてもできなくて50万円ほど貸してほしい」と言い出す始末です。給料は1年ほど遅配、未払いになっていたので、さすがに私の貯金も底をついています。ですが、困った父親を見捨てるわけにもいかず、私は消費者金融からお金を借りる事を決断したのでした。

どこで借りたのか

一番最初に借りたのはレイクでした。CMで名前を知っていた事もありましたし、大手企業なので何となく安心感がありました。近くに無人契約機があったのも、なんとなく気分を柔らかくしてくれました。そこで初めて私は「キャッシング」というものを利用する事になったのでした。

いくら借りたのか

初めての取引でしたのでいくら借りれるかわかりませんでしたが、一応帳簿上は結構な給料をもらっている立場(私は役員でしたので)なので、新規取引だが100万円までの融資枠があると言われました。
一気に100万円を借りても良かったのですが、「キャッシング」「借金」「お金を借りる」というのはやはり気持ちが重いものです。
少しでも額が少ない方が良いと思い、父親に頼まれた金額の50万円だけを借り入れするようにしました。

借りる際にどう思ったか

無人契約機でのキャッシングの申し込みは非常に簡単でした。
キャッシングの会社に出向いて、直接生身の担当者に色々と事情を説明し、周囲の目も気にしながら借金の申し込みをするのは何となく気が引けるなあと思っていましたが、無人契約機は向かい合うのは銀行のATMを少し大きくしたような機械です。しかも完全に区切りがしてある個室ですので、周囲の目線も全く気になりません。
基本的には音声と画面の指示に従い、キャッシングの申込書や給料明細、自分の運転免許証などを画面のスキャナーのようなものに乗せるだけ(契約書はファックスを送るような挿入口がありました)ですので、やり取りは機械とやればOKなだけの無機質なものです。
借金をするという後ろめたさが有る時には、このような無機質な方が良いと感じました。ただ粛々と手続きが進むのを見ているだけで良いので、「借金をしている」「キャッシングしてしまったなあ」という重い気持ちにはなりませんでした。
途中で備え付けの電話機で担当のオペレーターとキャッシング利用や勤務先の状況などについてヒヤリングを受けましたが、普通のインターネット申し込みプロバイダの担当のお姉さんと話をしているのと全く同じ感覚ですので、思い描いていたような「キャッシング手続き」とは全く違うという印象を持った事は良く覚えています。
とにかく、「周りも気にせず、キャッシング(借金)をしているという重み」も全く感じることなく、「簡単に必要な50万円が借りれてしまった」、その事だけは今でも印象的に良く覚えています。

その後も会社の業績は好転せず

父の事業悪化

私は上述のような事情で生まれて初めてキャッシングで借金をしてしまったわけですが、私が用意した50万でも事業は好転しませんでした。好転するどころか、父親から借金の願いを受ける事が多くなり、頼まれる金額も大きくなっていきました。
この50万円で見切りをつけて、父親に「これ以上は手伝えない」と言えば良かったのですが、資金繰りに奔走しやつれた父親を目の前にして、そのような事は言えませんでした。
言われるがままにキャッシングの利用を重ね、レイクだけではなくアコムからも100万円の借り入れをし、それでも足りずにさらに100万円を三井住友銀行のカードローンから借りるようになっていたのでした。キャッシング会社のみならず、銀行からも借金をするようになっていたのでした。

アコムも三井住友銀行のカードローンもお金を借りる際の手続きは簡単そのものでした。
アコムは無人契約機、三井住友銀行のカードローンも銀行の中にある個室のようになっている専用の契約ブースのような所でレイクやアコムの時と同じような手続きをするだけでした。
トータルで300万円の借金額となると、当然私の借金履歴を銀行は調べるはずなので、三井住友銀行からはさすがに色々と聞かれるかな?と少々怯えていたのですが、借金の理由を少し念入りに聞かれただけで、特に借金が300万円台に乗ることに対して色々と言われる事はありませんでした。
私は「結婚など考えているので、色々と要りようでして」と説明し、あっさりと審査をパスしてさらに借金を重ねてしまう事になったのでした。

借りる際にお得になるようなサービスを受けたか

キャッシングを利用する際には特に特典やお得サービスのようなものは受けませんでした。
「クレジットカードを作らないか?同時なら簡単に作れますよ」と最初のレイクの契約の時に言われましたが、既にクレジットカードは持っていたので、特に必要も感じなかったので私は作りませんでした。

金融機関の対応はどうだったか

キャッシング会社、銀行カードローンの会社とも、対応はとても素晴らしかったです。普通にネットのプロバイダー契約をするのとまったく同じ感覚でしたので、「キャッシング」「借金」という重みは全く感じさせない対応でした。事務的といってしまえばそれまでですが、借金をする身にとっては、その方がよかったです。
色々と親身に相談に乗られるような雰囲気だと逆に後ろめたくなるものですから、「マニュアル通り話をしているなあ、でも、対応は丁寧で印象はいいな」くらいの対応の方が良いと感じました。この辺りは借金をする側の心理を考慮してくれているのでしょうか?

借りたお金をどう使ったか

お金は全て父親の会社の資金繰りに使用しました。私は役員でしたから、会社が危機に瀕すれば、対応する責任があります。形上は社長である父親から「金を貸してくれ」と言われているわけですが、実際問題としては役員である私が支払わなければならないお金でもあったわけです。
その辺、妙に責任感がある私だったが故に(「若かった」というのもありますが)、300万円もの借金をこしらえてしまったのでした。

いつ返したか

借金はアコムで借りてキャッシング累積額が200万円になった頃までは何とかお金をやりくりして返済が出来ていました。自動口座引き落としなどの返済方法があるようですが、あるはずのお金がゴソッと引き落とされていたりすると困るので、私はATMで毎月の返済をするようにしていました。
無人契約機でも返済をしていましたし、時間の無い時にはコンビニでも返済をしていました。コンビニでは後ろで待っている人に丸見えになってしまうので、最初のうちはそれを気にしていましたが、慣れは怖いものですね。アコムの無人契約機は電車で2個ほど先の駅にしかなかったので、アコムの返済はほとんどコンビニから行うようにしていました。

利息はいくらだったか

利息は良く覚えていませんが(この辺のいい加減な所も私が「借金人間」」になった理由だと今では思っています)、18%くらいだったかと思います。この金利が高いのか安いのかは、実感としては今もって良く分かりません。キャッシングとはいっても、どこも返済はリボ形式ですから、毎月の返済額が物凄い金額になる事はありません。「借りれば借りるほど、月々の返済額は少し増えるだけ(その代わり、返済期間は無限に延びていく)」。このシステムは怖いなと思いました。

返す際にトラブルはあったか

三井住友銀行のカードローンで借りた金額の合計が300万円になったあたりから、返済が本当にきつくなってきました。
3社で月々の返済額が13万円を超えてしまっていたので、ラチがあきません。
会社に時々入ってくる売り上げ入金の現金を何とかやりくりして返済を続けていましたが、青色吐息の会社に入ってくる現金などたかが知れています。
父親も色々な場所から借金をしていましたので、それを私の借金返済に充てたりして色々としのいでいましたが、やがて限界がやってきました。

連日の電話におびえる日々

好転しない事業にも疲れてしまい、毎月の返済用のお金を算段するのにも私はすっかり疲れてしまっていました。キャッシングの返済が1日でも送れるとどんな恐ろしい事が待っているのか、当時の私には知る由もありませんから、物凄く不安がありました。でも、それを上回る「借金返済疲れ」があった私は、3社ともに返済を滞らせてしまう事になったのでした。
返済日は3社とも毎月27日でしたので、翌28日からは電話の嵐でした。ただ、やたら年中かかってくるわけではなく、朝は9時以降、夜も8時以降にかかってくることはありませんでした(この辺は規制の法律があるそうです)。

ノイローゼ

私は電話に出るのが怖かったので、そのまま携帯を放置して4日間ほど家に携帯を置いたまま友人の家に「現実逃避」に行っていました。
でも、「おそらく携帯の着信履歴は凄いことになっているのだろうな」と思いながら友人宅で過ごしていても、ちっとも落ち着く事はありませんでした。
普段はあまりお酒を飲まない私ですが、この時ばかりは安い焼酎を買ってきて友人宅で飲んだくれていました。

心配した友人に事情を全て話をすると、「なんだよ、そんな事情があったのか。俺はてっきり女に振られたんだとばかり思っていたよ。実は俺も借金があってね。返せなくなっちまって知り合いの弁護士さんに相談して色々と解決してもらったんだ」と話す友人。
「弁護士」という言葉の響きは重かったですが、私にとっては藁にもすがりたい思いでしたので、すぐに友人にその弁護士さんを紹介してもらいました。
ただ、電話をした時にはその弁護士さんは非常に大きな案件を抱えていて、相談に乗れるのが10日後だと言われ、10日間だけは待たなければならない状況になっていました。
ただ、電話口で色々とアドバイスをしてくれて、「キャッシング会社から催促の電話が来ると思いますが、絶対に脅したりはしませんから、とりあえず2週間ほど返済を待ってくれで押し通しておいてください。放置は良くありませんから、電話には出て、そのように担当者に伝えておくようにしてください。相手は大手キャッシングと銀行系ですから、絶対に脅迫めいた事は言いません。普通に事務電話のような対応でかかってきますので、『2週間待って』とだけ伝えるようにしてください」、とアドバイスをしてくれました。
友人も「とても親切で親身な弁護士さんだよ」と話をしていましたが、確かにその通りのようでした。

弁護士に相談して債務整理に

2週間後、私は友人に紹介をしてもらった弁護士さんにアポイントをもらい、事務所に訪ねていきました。
一応、キャッシング3社の借入契約書や返済を行った時のレシートなどを全て揃えて弁護士さんの事務所に向かいました。
お会いした弁護士さんは年配の「親戚のいいオジサン」という感じの弁護士さんで、とても相談がしやすかったです。

私は借金総額や月々の返済額、自分の収入状態などを説明し、弁護士さんから、「自己破産には額が足りない可能性が高いから、特定調停が良いかもしれませんね」とアドバイスをされました。
特定調停とは、裁判所の調停委員がキャッシング会社と直接交渉を行い、利息の計算などをして月々の返済額の減額交渉(借金残高自体の減額交渉もしてくれる)をしてくれるものです。

「自己破産」は当時30代の私にはあまりにも思い十字架的な言葉ですが、「特定調停」なら気分的には重みは感じませんでした。
基本的には「借りたものは返す」というのが信条で生きてきましたので、借金をチャラにする自己破産よりは(もっとも、自己破産するには借金額が足りないという変な状態だったのですが)、減額してもらって返せる範囲で返す特定調停の方が私には合っていました。

キャッシング会社とは一切接触せずに債務整理は完了

特定調停を利用すれば、弁護士と裁判所から任命された調停委員が全ての交渉を私の代理で行ってくれますので、私はキャッシング会社の人とは一切接触する事なしに債務整理を行う事ができました。
借金を踏み倒すわけではありませんが、返済を待ってもらい、かつ減額の交渉を代理でしてもらうわけですから、海千山千の相手を前に素人の私が太刀打ちできるはずもありません。何より怖くて、小心者の私にはそんな事ができるはずもありません。
特定調停用の書類等々は全て弁護士さんに手続きをお願いし、私は指定された日に簡易裁判所に出向いて調停委員からヒヤリングを受け(裁判官を引退したおじいちゃんのような人が調停委員には多いようです。ですから、この調停委員のヒヤリングも怖がる必要はありません)、ヒヤリングした内容を元に調停委員の人がキャッシング会社と色々と交渉をしてくれました。
電話での交渉は私の目の前で行われるのですが、全くの他人の私の為に、調停委員のおじいさんは「本人は返すと言っていますから、もう少し月々の額を減らして。。」「金利の引き戻しで元金はかなり減るはずではないですか?」「金利は無しで元金のみの返済にしてあげて下さいよ。まだ若い人だから、将来もある」など、まるで自分の孫をかばうかのように一所懸命交渉をしてくれていました。
この交渉(正式には調停というのですが)により、私は返済の半年の据え置きと、金利分等を差し引いて180万円の元金(3社)を1社1万8千円/月×3社で月5万4千円を33回支払うという事で話を付けてもらいました。
月に10万円以上の返済額(しかも果てしなく元金は減っていきません)から解放され、私は何とか払える額で借金の返済が行えることになったのです。

また借りたいと思ったか 結果、借金はあなたにとって良かったのか悪かったのか

一連のストレスフルなアクションを経て、私の借金地獄は終焉を迎えたのでした。
月々の5万円強の支払いは大変ではありましたが、父親が会社をたたんだあとに取引先の一つの会社の社長さんが私を雇い入れてくれ、少し多めに給料を払ってくれたおかげで、私は無事に33回の返済を終えて借金を完済させました。
借金地獄を経験してみて、「簡単にお金が借りれる怖さ」「借金をしている実感がない事の怖さ」を学びました。また、「借金は芋ずる式に増えていくものなので、今後は絶対に一切の借金はしない」とも思うようになりました。

返済が一日遅れただけで、キッチリと催促の電話がかかってくる恐怖。
電話の向こうで、どんな人間が私の携帯を鳴らしているのか想像すると無性に恐ろしくなる恐怖。
このまま返さなかったらどんなことになるんだろうという恐怖。
普段の生活をしていれば、絶対に経験しなくて良い恐怖を私は味わいました。

キャッシングやローンは時として上手に利用すれば便利なものだと思います。
「返せる範囲」で上手に利用すれば、急場をしのぐ助け舟になってくれるものだとも思います。
ただ、私は二度と借金はしません。1円たりとも。
それが私が借金をして心に決めたことです。


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お金を借りることは、そのお金の使い方によっては天国にも地獄にもなります。
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